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私がこの掲示板を知ったのは、98年6月頃だと記憶しております。
よく見ていなかったし、記憶もあやふやなのですが、
私はこの掲示板で草壁さんがシアン化カリウムを持っている事を知りました。
確か当時、他の人が草壁さんの事を「カリの売人」と呼んでおりました。
その為に 「草壁さんはシアン化カリウムを持っているのだ」と 自分で思ったのか、
それとも草壁さん自身による、それをほのめかす 或いは 明言する書き込みを 私が自分で見たのか、
はっきり覚えてはおりません。
草壁さんは、この掲示板で 薬の致死量のデータなどを書き込んでいた常連のように記憶しております。
私もこの掲示板に数回書き込みした事があります。ある時、
「アタラックスP は、現在、処方箋無しでは 手に入らないのではありませんか?」
と書き込んだ事があります。
何故こういう書き込みをしたのか と申しますと、この掲示板の管理人の方のホームページに、アタラックスPについて
「処方箋無しで買える市販薬」
と 紹介されていたのですが、実際は そうではない為、
何故HPにそのように間違ったことが書かれているのかを疑問に感じたからです。
私の この 質問 に対して、
「アタラックスPは 20錠1500円で 普通に買えますね」
と、「完全自殺マニュアル」の内容そのままの 答 が 誰かから かえってきたのを覚えております。
草壁さんは、この発言に応じる形で、
「『完全自殺マニュアル』の初版が発行された当時は処方箋無しで買えたが、現在は 医師の処方箋が必要な薬に指定されている」
と、アタラックスPの成分などの説明と共に答えてくれました。
草壁さんのこの書き込みは その掲示板にではなく、他の自殺系掲示板に書き込まれたものでした。
敢えて他の掲示板に こうした、他人の誤りを指摘する書き込みをされたのは
「アタラックスPは 20錠1500円で 普通に買えますね」
を書き込んだ人に対する、草壁さんの一種の思いやり であったのか、
或いは、あからさまに反駁して 結果 揉め事を招くのを 避けたかった 為 なのか 解りませんが、
私はここで、普段 薬の主成分や細かい数値を羅列しているだけの、まるで 薬辞典のようであった 草壁さんの、人間的な一面を 初めて垣間見た気がしました。
この掲示板で 草壁さんが 書き込んでいた内容は 薬に関する事 が殆どであった、と記憶しているのですが、そんな草壁さんを疎ましく思っていた人もおりました。
自殺の是非について語りたい人や、死にたい自分の悩みや心情を吐露したい人にとっては、確かに 草壁さんの、薬に関する無機的な数値と専門用語の羅列は うざったいものであったと思われます。
事実、「カリの売人 ウゼエ」「お薬自慢 ウゼエ」等、草壁さんを 疎ましがる書き込みを何度か見ました。
ただ、私にとっては、草壁さんの示してくれる薬のデータは貴重なものだったので、一度、草壁さんを 擁護する書き込みをした事があります。
前述しました、アタラックスPに関する経緯を紹介し、
「だから、私にとっては、草壁さんのデータは役立っている。決して薬の知識を自慢している訳ではないと思う。」
というような趣旨の書き込みを 行った と記憶しております。
結局、この掲示板で疎ましがられて以後、草壁さんは この掲示板に二度と書き込む事をしなくなったのですが、同じ頃、私の所に草壁さんは、エクセルの添付ファイル付きのメールを下さいました。
「掲示板での擁護ありがとう」 というような、丁重すぎる感 あるお礼の文章と、アタラックスPに関する詳細なエクセルでのグラフ付きデータでした。グラフ付きデータは、私には難解過ぎて よく見る事さえしませんでしたが、とりあえず
アタラックスPの経口投与で死ぬのは 不可能に近い ということと、
草壁さんが 大変義理がたい実直な人物であること だけは 伝わってきました。

この時から、私と草壁さんのメール交換が始まり、数週間後、私が「安楽死狂会」を作り、更にその数週間後、薬に関する掲示板を設けました。
この時、草壁さんに 「掲示板の専属医」になってもらいました。
そして、その掲示板(キリコ診察室)に「薬自慢ウゼエ」「カリの売人ウゼエ」と書き込まれるのが まさに ウザかった私(キリコ診察室の管理人)が 草壁さんに「ドクターキリコ」を名乗ってもらいました。

私は草壁さんに
「キリコ診察室 で、青酸カリについは触れないで欲しい」
と頼んだ事は無いのですが、
草壁さんがキリコ診察室にて「青酸カリ」「シアン化カリウム」について語った事は、ありませんでした。
もし、草壁さんが、金儲けの為に青酸カリを売り捌くつもりであったならば、
キリコ診察室にて、薬の致死量データを示し、
「これを読めば解るように、薬で死ぬのは無理。だから、確実に死ねる青酸カリを売ってあげましょうか?」
なんて書き込んでいた事でしょう。
もしそうなっていても、管理人であった私はおそらく、そういう書き込みを削除したりはしていなかったであろう と思います。
私自身、青酸カリを自分宛てに送ってもらい、
また、死にたがる知人に「草壁さんに 病状を説明すれば、青酸カリが手に入るよ」なんて紹介したりもし、
更には一緒に死ぬ予定であった知人がお金を持っていなかった為に、その知人の分までお金を振り込んで自分宛てに送ってもらったりしていたくらいですから。
この知人の分の保管委託を頼んだ時には、私は大変急いでいた為、草壁さんに
「入金確認後に発送してもらうと時間がかかるから、代金引換でお願いできないか」
と頼みました。草壁さんは、代引の件については触れず、
「急いでいるのなら、入金確認を待たずに 大至急発送する。貴女を信用しているから」
というような返信を返してくれました。
私はそんな草壁さんの言葉が嬉しくて、この時には 3万円ではなく、勝手に5万円を振り込みました。草壁さんはその夜カプセル詰めの作業をし、翌日(私が入金する前)に発送してくれました。
後で聞いた話ですが、草壁さんはこの日、体調がすぐれなかったそうです。そして、青酸カリを粉砕してカプセルに詰める際、空中に僅かに舞うシアンの粉末をほんの少量吸い込んだ為に、暫くの間、頭痛や吐き気に悩まされた と、話しておられました。

私はこのような草壁さんとのコミュニケーションから、草壁さんの人間性について
『誠実すぎるほどに誠実で 人が良く、生きるのに不器用な程 実直な人であった』
と、勝手にそう思っております。

草壁さんは、彼自身の自殺未遂について私に明かされたこともありましたし、だからこそ、人からの紹介での
「死にたい、死んでしまいたい、死なせて欲しい」
という悲痛な要請を拒みきれなかったのだと思います。そして、それが「お守り」になる筈と信じて、応えざるを得なかったのだと思います。
他人に紹介したり知人の分までお願いしていた他ならぬ私自身が、
草壁さんをそのような身動きならない立場に追いやってしまったのだ と、反省しております。
草壁さんには もう、「保管委託を断わる」という選択肢が 自分の中で無くなってしまっていた、許されなくなってしまっていたのだ と思います。

事件とは直接無関係な事、 特に 亡くなられた方の御遺族が読まれたら大変不愉快になるような事を書かせて頂いておりますが、
私は、余りにも歪曲され酷すぎる報道をされた草壁さんの人物像について、
彼のひととなりを多少でも知る人間の立場から、
そして事件と深く関わっている人間の立場から、
私にとっての真理、草壁さんの人間像を述べさせていただきました。
非常に主観的な内容に終始していることは 重々承知しておりますが、
純粋に客観的な事実 とは

『シアン化カリウムを飲んで亡くなられた方がいる。そのシアン化カリウムは「草壁」さんから送られたものであった』

これだけです。
一連の報道、

「ネットで毒物販売」
「男はネット上で“ドクターキリコ”を演じ“自殺志願者”に薬物による自殺の方法などを得意げに解説」
「パソコンなどは男がインターネットに『自殺相談』のホームページ(HP)を開設し、毒物配送の希望を受け付けるのに使っていた」
「自殺した男性が、自殺に関するホームページを開設していたことから、無職の女性がこのホームページにアクセスして自殺に使用した青酸化合物入りのカプセルを入手した」

これらは単純極まる「客観的な事実」からさえ程遠い、メディア側によって捏造されたシナリオであり、
私の書いているいささか主観的で稚拙な文章の方がより 真実 に近い と自負しております。
これは 当事者である私にとっての嘘偽り無い真実であり、誠に傲慢ながら 亡くなられた草壁さんへの弔いの気持ちのつもりで書かせていただきました。


草壁さん、
プライバシー勝手にもらして御免ね。