この時から、私と草壁さんのメール交換が始まり、数週間後、私が「安楽死狂会」を作り、更にその数週間後、薬に関する掲示板を設けました。
この時、草壁さんに 「掲示板の専属医」になってもらいました。
そして、その掲示板(キリコ診察室)に「薬自慢ウゼエ」「カリの売人ウゼエ」と書き込まれるのが まさに ウザかった私(キリコ診察室の管理人)が 草壁さんに「ドクターキリコ」を名乗ってもらいました。
私は草壁さんに
「キリコ診察室 で、青酸カリについは触れないで欲しい」
と頼んだ事は無いのですが、
草壁さんがキリコ診察室にて「青酸カリ」「シアン化カリウム」について語った事は、ありませんでした。
もし、草壁さんが、金儲けの為に青酸カリを売り捌くつもりであったならば、
キリコ診察室にて、薬の致死量データを示し、
「これを読めば解るように、薬で死ぬのは無理。だから、確実に死ねる青酸カリを売ってあげましょうか?」
なんて書き込んでいた事でしょう。
もしそうなっていても、管理人であった私はおそらく、そういう書き込みを削除したりはしていなかったであろう と思います。
私自身、青酸カリを自分宛てに送ってもらい、
また、死にたがる知人に「草壁さんに 病状を説明すれば、青酸カリが手に入るよ」なんて紹介したりもし、
更には一緒に死ぬ予定であった知人がお金を持っていなかった為に、その知人の分までお金を振り込んで自分宛てに送ってもらったりしていたくらいですから。
この知人の分の保管委託を頼んだ時には、私は大変急いでいた為、草壁さんに
「入金確認後に発送してもらうと時間がかかるから、代金引換でお願いできないか」
と頼みました。草壁さんは、代引の件については触れず、
「急いでいるのなら、入金確認を待たずに 大至急発送する。貴女を信用しているから」
というような返信を返してくれました。
私はそんな草壁さんの言葉が嬉しくて、この時には 3万円ではなく、勝手に5万円を振り込みました。草壁さんはその夜カプセル詰めの作業をし、翌日(私が入金する前)に発送してくれました。
後で聞いた話ですが、草壁さんはこの日、体調がすぐれなかったそうです。そして、青酸カリを粉砕してカプセルに詰める際、空中に僅かに舞うシアンの粉末をほんの少量吸い込んだ為に、暫くの間、頭痛や吐き気に悩まされた と、話しておられました。
私はこのような草壁さんとのコミュニケーションから、草壁さんの人間性について
『誠実すぎるほどに誠実で 人が良く、生きるのに不器用な程 実直な人であった』
と、勝手にそう思っております。
草壁さんは、彼自身の自殺未遂について私に明かされたこともありましたし、だからこそ、人からの紹介での
「死にたい、死んでしまいたい、死なせて欲しい」
という悲痛な要請を拒みきれなかったのだと思います。そして、それが「お守り」になる筈と信じて、応えざるを得なかったのだと思います。
他人に紹介したり知人の分までお願いしていた他ならぬ私自身が、
草壁さんをそのような身動きならない立場に追いやってしまったのだ と、反省しております。
草壁さんには もう、「保管委託を断わる」という選択肢が 自分の中で無くなってしまっていた、許されなくなってしまっていたのだ と思います。
事件とは直接無関係な事、 特に 亡くなられた方の御遺族が読まれたら大変不愉快になるような事を書かせて頂いておりますが、
私は、余りにも歪曲され酷すぎる報道をされた草壁さんの人物像について、
彼のひととなりを多少でも知る人間の立場から、
そして事件と深く関わっている人間の立場から、
私にとっての真理、草壁さんの人間像を述べさせていただきました。
非常に主観的な内容に終始していることは 重々承知しておりますが、
純粋に客観的な事実 とは
『シアン化カリウムを飲んで亡くなられた方がいる。そのシアン化カリウムは「草壁」さんから送られたものであった』
これだけです。
一連の報道、
「ネットで毒物販売」
「男はネット上で“ドクターキリコ”を演じ“自殺志願者”に薬物による自殺の方法などを得意げに解説」
「パソコンなどは男がインターネットに『自殺相談』のホームページ(HP)を開設し、毒物配送の希望を受け付けるのに使っていた」
「自殺した男性が、自殺に関するホームページを開設していたことから、無職の女性がこのホームページにアクセスして自殺に使用した青酸化合物入りのカプセルを入手した」
これらは単純極まる「客観的な事実」からさえ程遠い、メディア側によって捏造されたシナリオであり、
私の書いているいささか主観的で稚拙な文章の方がより 真実 に近い と自負しております。
これは 当事者である私にとっての嘘偽り無い真実であり、誠に傲慢ながら 亡くなられた草壁さんへの弔いの気持ちのつもりで書かせていただきました。
草壁さん、
プライバシー勝手にもらして御免ね。